東京で開催された世界理学療法学会にあわせて、フィンランドから専門家による代表団をお迎えしました。代表団は、フィンランドリハビリ起業家協会およびフィンランドリハビリ教育者協会およびを代表しており、同国におけるリハビリテーションの実践に関する豊富な知識と経験を共有してくださいました。
今回の訪問団は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理療法士、リハビリ教育やビジネスの専門家など、多分野にわたるリハビリ専門職で構成されており、その多様なバックグラウンドと経験が、訪問中の充実した議論と有意義な知識の共有につながりました。
世界有数の「超高齢社会」として知られる日本は、高齢化に伴うさまざまな課題に直面しています。今回の訪問は、そうした課題に対して日本の医療およびリハビリテーション分野がどのように取り組んでいるのかを学ぶ貴重な機会となりました。代表団は、リハビリテーション病院や理学療法クリニック、高齢者医療・老年学の研究機関など、先進的な施設を複数訪問し、高齢者ケア、地域密着型リハビリ、さらには患者支援における革新的なテクノロジーの活用といった、日本の先進的な取り組みに触れることができました。
交流の中では、高齢化社会におけるリハビリの未来に関する深い対話が行われ、優れた実践例や多職種連携の戦略、次世代のセラピストとケア提供者の育成方法などが共有されました。この訪問を通じて、日本とフィンランドのリハビリ専門職間の関係は一層深まり、今後の学術的・臨床的・起業的な連携の扉が開かれました。
今回の訪問に際し、フィンランド代表団の皆様をはじめ、温かいおもてなしと情報豊富なツアーをご提供くださったインターリハ株式会社様、ならびに30名を超える代表団の受け入れにご協力いただいた各関係機関の皆様に、心より感謝申し上げます。
今後とも、連携を一層強化し、リハビリテーション医療のさらなる発展に向けて、共に歩みを進めてまいります。

東京カンファレンスセンターでのレクチャー
東京カンファレンスセンターにて、全国で複数の高齢者施設を運営する松井氏による講演が行われました。松井氏は16年前にフィンランドを訪問し、同国の福祉制度や高齢者ケアの実践を学んだ経験を持ちます。今回の講演では、国内での施設運営を通じて培った実践的な知見や、フィンランドでの学びを交えながら、貴重な経験を共有しました。現在は日本理学療法士協会の理事を務めるとともに、福祉・リハビリテーションサービスを包括的に展開する「ホットリハシステムズ」の創業者としても活躍しています。

東京都健康長寿医療センター研究所の訪問
施設のディレクターおよびシニアリサーチャーが日本の超高齢社会における課題について見解を示すとともに、理学療法、デジタルイノベーション、AIによる診断技術、人口健康戦略を統合した最新の研究成果を紹介してくださいました。これらの取り組みは、フレイル(虚弱)への対応や健康寿命の延伸に大きく寄与するものです。

最先端リハビリテーション病院の訪問
今年4月に開院した最先端のみらいリハビリテーション病院では、病院長とリハビリテーションを担当する理学療法士の方々が、施設内の設備や高度なリハビリ機器を紹介するとともに、最新の医療技術とその臨床への応用についても詳しく説明してくださいました。

フィジオセンター訪問
東京の中心部に位置するフィジオセンターは、日本で初めて公的医療保険制度の枠外で運営される大学病院内の民間リハビリ施設です。高度な専門知識を持つ理学療法士、最先端の機器、客観的な評価を組み合わせ、一人ひとりに合わせた個別ケアを提供しています。

夕食会および文化交流
代表団と日本の理学療法士が参加した夕食会では、両国におけるリハビリテーション実践に関する意見や見解を交換する貴重な機会となりました。