シンガポール:高齢者の筋力トレーニング参加が増加、施設によっては最大9か月待ちも

シンガポール発・アジア視点の国際ニュースメディアCNA(Channel News Asia) の記事によると、シンガポールでは現在、高齢者向けの筋力トレーニングの需要が急速に高まっています。

背景には、健康寿命を延ばしたいという意識や、フレイル(加齢による心身の衰え)を予防したいという関心の高まりがあります。そのため、地域のコミュニティセンターや高齢者施設では、運動プログラムへの参加希望者が増え続けています。

しかし一方で、需要の増加に対してプログラムの提供が追いついておらず、長い待機リストができたり、参加人数が制限されたりするケースも増えています。

ジムトニックにおける待機問題

代表的なプログラムの一つが「ジムトニック(Gym Tonic)」です。このプログラムは2014年に導入された地域型筋力トレーニングプログラムで、当初は虚弱高齢者向けに開始されましたが、現在では予防医療的な目的にも拡大されています。

最新データによると、約30拠点で約3,200人が参加している一方で、約2,800人が待機リストに登録されています。

また、人気エリアでは平均7か月、長い場合は最大9か月の待機期間が発生しています。

一部の運営団体では、より多くの高齢者に機会を提供するため、一定期間(約24セッション)後に再び待機リストに戻す仕組みを導入しています。

しかしこの運用は、利用者の継続性に影響を与えるという課題も指摘されています。

利用者の課題:継続性の喪失と運動効果

実際の利用者からは、「トレーニングの中断により筋力向上の効果が失われる」という声も聞かれます。

特に高齢者においては、継続的なトレーニングが身体機能の維持に重要であるため、プログラムの中断は大きな影響を与える可能性があります。

また、以下のような課題も指摘されています。

  • 筋力トレーニング効果の維持が難しい
  • 生活リズムや習慣の分断
  • コミュニティ性の低下
  • モチベーション維持の困難

高齢化と予防医療の重要性

高齢者の筋力トレーニングは、単なる健康維持ではなく、転倒予防、フレイル予防、ADL(生活動作)の維持、自立支援といった観点から重要性が高まっています。

シンガポールではこうした背景から、高齢者向けフィットネスプログラムへの参加者が増加しています。

需要増加と供給拡大のギャップ

統合ケア庁(AIC)によると、高齢者の筋力・バランス・持久力トレーニングへの参加は年々増加しています。また、NTUC Healthでは高齢者ジム利用者が前年比60%増加しており、需要の急拡大が明確に表れています。

スポーツシンガポール(Sport Singapore)の取り組み

このような需要増加に対応するため、スポーツシンガポール(Sport Singapore/SportSGは高齢者向け運動環境の整備を積極的に進めています。

具体的には以下の取り組みが進行しています。

  • 28か所のActiveSGジムすべてを高齢者対応仕様へ改修(年内完了予定)
  • すでに16施設に高齢者向けトレーニングマシンを導入済み
  • 55歳以上の利用者が週単位で約16,000人に増加(前年比40%以上増)
  • 「CALM(筋力低下対策プログラム)」を180のアクティブエイジングセンターへ拡大
  • 2026年末までに約5,500人の高齢者へ包括的介入プログラムを提供予定

特にCALMプログラムでは、筋力トレーニングに加えて、栄養指導やリカバリー教育、機能評価を組み合わせた統合的アプローチが採用されています。

求められるトレーニングソリューション

こうした状況は、高齢者向けリハビリテーション・トレーニング分野において、以下のニーズが高まっていることを示しています。

  • 安全性の高いレジスタンストレーニング機器
  • 高齢者でも安心して使用できる設計
  • 個別化された負荷設定
  • 医療・介護現場との連携性
  • 短時間でも効果的なトレーニング設計

HURの空圧式レジスタンストレーニング機器は、関節負担を抑えつつ安全な負荷調整が可能であり、高齢者やリハビリテーション現場における継続的な運動介入を支えるソリューションとして注目されています。

今後の課題と展望

シンガポールの事例は、高齢化社会において筋力トレーニング需要が急速に拡大する一方で、「アクセスの制約」と「継続性の確保」が大きな課題となっていることを示しています。

今後は施設数の拡大に加え、スポーツシンガポールのような国家レベルの取り組みと、医療・リハビリ分野における安全で継続可能なトレーニング環境の整備が重要になると考えられます。

その中でHURのようなソリューションは、今後の高齢者運動医療の基盤の一つとして、さらに重要性を増していくことが期待されます。

参考記事
https://www.channelnewsasia.com/singapore/seniors-strength-training-gym-waitlist-6062896